ゆったり座って転倒予防。足腰を鍛える簡単ホームトレ
活動的なセカンドライフを応援する「アクティブ・エイジング・ホームトレ」へようこそ。
転倒への不安、感じていませんか?
最近、ほんの少しの段差につまずきそうになったり、重いものを持った時にふらつきを感じたりすることはありませんでしょうか。年齢を重ねるにつれて、体力や筋力が少しずつ衰えていくことは、どなたにも起こりうることです。特に、足腰の筋力やバランス能力が低下すると、転倒のリスクが高まり、活動的な毎日を送る上での不安材料となることもあるでしょう。
しかし、ご心配はいりません。ご自宅で安全に、そして無理なく取り組める簡単なトレーニングで、足腰の筋力を維持し、転倒しにくい体づくりを始めることができます。この運動は、専門的な知識がなくても、運動経験が少ない方でも安心して取り組めるよう、非常にゆっくりとしたペースで始められることを重視しています。
安全に運動を始めるための大切な心構え
運動を始める前に、いくつか大切な点がございます。無理をして体を痛めてしまわないよう、以下の点に十分ご留意ください。
- 痛みを感じたらすぐに中止してください。 少しでも異変を感じたら、すぐに運動を中断し、体を休ませることが大切です。
- 呼吸を止めずに行いましょう。 運動中は、自然な呼吸を意識し、息を止めないように注意してください。
- 安定した椅子を使用してください。 キャスター付きの椅子や不安定な椅子は避け、しっかりと床に固定された安定した椅子を使用しましょう。背もたれがあるものがおすすめです。
- 水分補給をこまめに行いましょう。 運動の前後や休憩中に、意識して水分を摂るようにしてください。
- 体調の良い日に実施しましょう。 熱がある時や体調がすぐれない時は、無理に運動を行う必要はありません。
座ってできる!転倒予防のための足腰ゆらゆら運動
ここからは、ご自宅の椅子に座ったままできる、足腰の筋力維持とバランス能力の向上に役立つ運動を具体的にご紹介します。
1. 座ったままのゆっくり膝上げ運動(太ももを鍛え、つまずきにくく)
この運動は、太ももの前側の筋肉を鍛えることに役立ちます。つまずきにくくするために大切な筋肉です。
- 準備:
- 椅子に深く腰かけ、背もたれに軽く背中を預けます。
- 両足は肩幅程度に開いて床につけ、膝を90度くらいに曲げます。
- 両手は、椅子の座面や肘掛けを軽く握り、体を支える準備をします。
- 手順:
- まず、ゆっくりと片方の足を床から持ち上げます。膝を曲げたまま、太ももがお腹に近づくように意識してください。
- 太ももが床と水平になるくらいまで持ち上げられたら、そこで1秒から2秒ほど静止します。この時、呼吸を止めないように注意してください。
- 次に、持ち上げた足を、ゆっくりと時間をかけて元の位置に下ろしていきます。足が床につくまで反動をつけず、ゆっくりと下ろすことが重要です。
- 片足が終わったら、もう片方の足も同じように持ち上げて下ろします。
- 回数の目安:
- 左右それぞれ5回から8回を1セットとして、1日に1セットから2セットを目安に行ってみましょう。慣れてきたら、少しずつ回数を増やしても良いでしょう。
2. 座ったままのかかと上げ運動(ふくらはぎを鍛え、歩行を安定)
ふくらはぎの筋肉は、歩く際に地面を蹴り出す力や、姿勢を安定させるために重要です。
- 準備:
- 椅子に深く腰かけ、背筋を軽く伸ばします。
- 両足は肩幅程度に開いて床につけ、膝を90度くらいに曲げます。
- 両手は、椅子の座面や肘掛けを軽く握り、体を支えます。
- 手順:
- 両足のかかとを、ゆっくりと同時に持ち上げます。つま先は床につけたまま、かかとをできるだけ高く持ち上げることを意識してください。
- ふくらはぎの筋肉が使われていることを感じながら、かかとを上げた状態で1秒から2秒ほど静止します。
- 次に、持ち上げたかかとを、ゆっくりと時間をかけて元の位置に下ろしていきます。かかとが床につくまで反動をつけず、ゆっくりと下ろすことが重要です。
- 回数の目安:
- 10回から15回を1セットとして、1日に1セットから2セットを目安に行ってみましょう。
3. 座ったままの足首回し運動(足首の柔軟性とバランス感覚を養う)
足首の柔軟性は、地面のでこぼこに対応したり、バランスを保ったりするために非常に大切です。
- 準備:
- 椅子に深く腰かけ、楽な姿勢で座ります。
- 片方の足を、かかとを床につけたまま、つま先を少し浮かせるか、または足全体を少し浮かせます。
- 両手は、椅子の座面や膝の上に軽く置きます。
- 手順:
- 浮かせた足の足首を、ゆっくりと大きく円を描くように回します。まるで、つま先で空中に大きな丸を描くようなイメージです。
- まず、時計回りに5回ほど回します。
- 次に、反時計回りに5回ほど回します。
- 片方の足が終わったら、もう片方の足も同じように行います。
- 回数の目安:
- 左右それぞれ、時計回りと反時計回りに5回ずつを1セットとして、1日に1セットから2セットを目安に行ってみましょう。
継続が「安心」につながります
これらの運動は、一度にたくさん行うよりも、毎日少しずつでも良いので、無理のない範囲で続けていくことが何よりも大切です。毎日行うことが難しい日があっても、ご自分を責める必要はありません。できる時に、できる範囲で行うことが、長く続けるための秘訣です。
運動を続けることで、足腰の筋力が少しずつついていくのを実感できるようになるでしょう。それは、歩く時の安定感や、ちょっとした段差への不安の軽減にもつながっていくはずです。そして、その変化が、より活動的なセカンドライフへの自信と喜びをもたらしてくれることと思います。
何か不安なことや疑問に思うことがございましたら、かかりつけの医師や専門家にご相談いただくこともご検討ください。ご自身のペースで、安心して健康な毎日を過ごされることを心より願っております。